文化財と社宝

建造物

国指定重要文化財

御本殿 Gohonden

慶長3年(1598)、水戸城主となった佐竹義宣公により建立される。

桁行三間、梁間二間、一重、入母屋造、屋根とち葺、正面一間通り庇付、和様に唐様を混え、木割も太く意匠も大変奇抜で古式をよく伝えている。

工匠は佐竹公お抱えの「御大工」吉原作太郎(当時15才)を棟梁に、10〜20代の60名程の名が本殿内墨書に記される。

平成7年8月より、初めての全解体修理が行われ、奇しくも建立400年目となる平成10年末、建立当時の色、模様、金箔を施し、まばゆいばかりの姿に復原された。

用いられた材料、工匠の技量など、どれをとってみても常陸国の中世の最後を飾るにふさわしい、当代随一の建物であったことが偲ばれ、その洗練された、のびやかな形、彫刻、彩色など安土桃山の美を今に伝えている。

水戸市指定有形文化財

拝殿及び幣殿 Haiden Heiden

桁行五間、梁間三間、一重、入母屋造、銅板葺(元こけら葺)で、一間の向拝は軒唐破風付、二間四方の幣殿が接続する。

建立は安永4年(1775)、堅牢に組み立てられ建具にいたるまで当初材が良く残り、洗練された意匠を持っている。
(平成23年解体保存工事を完工)

水戸市指定有形文化財

随神門 Zuishinmon

切妻造の四脚門で、左右に随神社が付属し、屋根はこけら葺形銅板葺である。(昭和47年こけら葺を改める)

墨書によると、建立は宝暦7年(1757)であるが、随神社が奉納された享保8年(1723)の可能性もある。

全体は素木であるが、波に龍の欄間彫刻には彩色の痕跡が残る。

この時代のものとしては木割も太く、古式を伝える質の良い四脚門で、県内でも非常に価値のある門である。